寝ても起きても辛い腰の痛み。
腰痛といえば以前は高齢者のイメージでしたが、若い世代でも腰の痛みで日常生活や仕事に辛さと不便さを感じている人も多くいます。
できることなら腰痛持ちにはなりたくない、今より少しでも楽になりたい…そのためには病院や接骨院での治療だけでなく、日頃からの予防が大切です。
ここでは日常生活で気をつけたい腰痛予防のための正しい姿勢と、家庭や職場で役立つ腰痛を起こしにくい動作のポイント、腰痛予防ストレッチをご紹介します。
1. 腰痛になりにくい姿勢を身につける
1-1. 正しい立ち姿
腰が痛いとつい猫背になり、顎を突き出したり、膝を曲げて前のめりで歩いたり、逆に上半身を反らせすぎる反り腰になったりしてはいませんか?
歩くことは健康につながると言いますが、こうした悪い姿勢で歩いていると健康になるどころか、腰や下半身の関節を痛めることになりかねません。
腰痛を予防し健康につながる正しい歩き方とはどんな歩き方をすればよいのでしょう。
では正しい歩き方、正しい姿勢の基礎を身につけるために、壁に沿って立ってみましょう。
- まず肩甲骨とお尻を壁につける。その時ウエストの後と壁の間は拳1つ分ほど空ける。
- 顎を引いて視線は真っすぐ前に。
- 膝は伸ばし、腕は体の真横に沿わせて立つ。
- 正面から見たとき、左右の肩が段違いにならず、首や顔が傾いていないようにする。
いつもの自分の立ち方と、このポーズを誰かに写真や動画で撮ってもらうと違いがはっきりわかり、良い姿勢を意識しやすくなります。
ポイントは「気をつけ!」のように胸を張り過ぎたり背筋を伸ばし過ぎたりしないこと。衝撃吸収がし辛く、逆に腰や膝を痛めてしまいます。
1-2. 両腰を正しく使うことで腰が楽になる歩き方
それでは正しい姿勢を保ちながら実際に歩いてみましょう。
ポイントはフラフラ揺れないように、スタートから一直線上を真っすぐ歩く点と、足ではなく腰を動かすイメージで歩く点です。
試しに目を閉じたままで歩いてみると、これまでの歩き方の癖で左右どちらかに曲がってしまうことがあります。
たとえば左に曲がる人は左側の腰ばかり使って歩いているため、筋肉のつき方のバランスが悪くなっています。
左右の腰を均等に動かすことで腰、股関節、足に不自然な負荷がかからず、腰痛予防にもつながるでしょう。
1-3. テレワークも安心、疲れず腰を痛めない座り方
仕事や学習で椅子に長く腰掛けていると腰痛のリスクが高まります。動かず同じ姿勢を続けることもさることながら、座り方そのものが悪いと余計に疲れて腰も痛めてしまいます。
オフィスではワークチェアとデスクを使うことが多いでしょうが、腰痛になりにくい正しい座り方を覚えましょう。
- まずシートの一番奥までお尻を入れます。
- 膝の高さが股関節と並行またはやや高めになるように椅子の高さを調整します。
- 踵はつま先立てではなく、床に完全に着くように。
- 骨盤を立てる感じで背筋を伸ばし、顎を引きます。
- パソコンを使う場合は、目線はやや下向きに。
これが腰に負担がかからず疲れにくい座り方ですが、しかしどんなに正しい座り方でも長時間座りっぱなしでいればだんだんと姿勢が崩れてきて、後ろに倒れたり前屈みになったりしがちです。そんな時は一旦立ち上がり、軽い運動をするなどリセットしてから座り直しましょう。
テレワークで仕事をするようになると、オフィスのような椅子や机というわけにはいかない場合もあります。そんな時はクッションを使って高さ調整をしたり、ホールド性の良い腰枕で脇を安定させたりしましょう。ローテーブルを使用する場合はソファーに腰掛けるとかなりの前屈み姿勢になるので、傾斜のあるクッションを使って骨盤を立て床に座った方が腰への負担が減ります。
2. 日常の動作を工夫して痛みを軽減する
2-1. 寝るときの注意
腰痛のある人にとって睡眠は体を休めリラックスするために欠かせないものです。寝姿勢と寝具の使い方を工夫してみましょう。
膝を伸ばしたまま寝たり、仰向けで寝たりすると腰に負担がかかります。膝下に枕やクッションを入れ、膝を曲げた状態にするか持ち上げた状態で寝ると楽に休めます。また横向きで股関節と膝を曲げて休むのも良いでしょう。寝具はやや固めで、枕は低く目を使います。
2-2. 重い物の運び方
立ったまま上半身だけを屈めて重い物を持ち上げたりすると、ぎっくり腰になる危険性があります。必ず一旦膝を下ろし、物を体に近づけた状態で運びましょう。その際、手だけで運ぶより肩に乗せたり台車を使ったりすると負担が軽減します。
また買い物袋などぶら下げて運ぶ場合は、できるだけ両手に分散して運びましょう。棚から物を降ろす際には、安定の良い踏み台を使って下ろします。物の置き場所そのものも、重い物ははじめから下段に置くようにすれば危険を回避できます。
また使用頻度を考え、よく使うものは腰に負担がかからない中段に集めて置くと、安全で効率もアップするでしょう。家庭内だけでなく、職場でもこうした環境整備を取り入れることで社員の健康と安全が守られます。
2-3. 家事にも腰痛予防を意識して
洗い物や調理で長時間立ったままの作業になる場合は、片足を低い台の上に乗せると腰痛の予防になります。掃除機は大きく動かすより細かく動かす、拭き掃除は柄付きのモップを使用する、物干しは両手を伸ばすような高い位置は避け、目の位置と同じ高さで干すなど無理のないように行いましょう。
腰痛予防のためには身体を適度に動かす方が良いでしょうが、痛みや危険性を伴う無茶な動きは禁物です。運動は自分の身体と専門家に相談しながら無理のない範囲で行いましょう。
3. 腰痛予防のための簡単ストレッチ
3-1. 仰向けに寝たままできるストレッチ
腰痛予防であり腰痛改善にもなるストレッチです。リラクゼーション効果もあるので、無理のない範囲で少しずつ行いましょう。
- 両手を伸ばして全身をぐーんと伸ばすだけ
- 両手を伸ばし片膝を曲げ、半身をひねる(反対側の足も)
- 寝たまま片ひざを胸に引きつける(反対側の足も)
- 寝たまま両膝を抱え込み胸に引きつける
- 仰向けで両股関節を開き、左右の足の裏を合わせる
3-2. ストレッチのポイント
- 痛みを感じない範囲で行う
- 自然な呼吸でリラックスする
- 反動をつけずゆっくり動かす
- 痛みがなければ短時間でもできるだけ毎日行う
4. まとめ
辛い腰痛はなってから改善するよりも、できるだけならないように予防することが大切です。予防は守ることと鍛えることの両輪で効果を発揮します。日常の中でのちょっとした注意と実践で腰痛のない暮らしを手に入れましょう。
「太田ウィル整骨院」では腰痛改善の施術はもちろん、腰痛予防に関するノウハウも積極的に提供しています。腰痛でお悩みの方、いろいろな治療を試みたけれどスッキリしない方も、どうぞお気軽に「太田ウィル整骨院」にご相談ください。